投稿日:2016年7月9日
院長の加藤です。
7/8の診療後は、母校の国立東京医科歯科大学で、症例発表型の勉強会「GN会」でした。
今回は、「他院でインプラントできない」と断られた症例を発表しました。(患者様の了解を得て写真を掲載しています。)
歯と歯の間は7mmはないと、通常の径のインプラントは埋入できません。
これは、5.2mm・・・。普通は不可能です。(骨レベルで6mm)
こういう場合は直径が細い「ナローインプラント」を使うのですが、細いので力がかかる奥歯には使えません・・。
今回は、新しいインプラント材料「チタンージルコニア合金」で出来た「Straumann Roxolid®」を用いました。
このRoxolidは以前のインプラントより強度が24%強く、細い径のインプラントの強度が増し適用する範囲が広がります。今回はこれを用います。
といっても、幅がギリギリなので0.5mmずれても歯を作れません。正確に埋入するために・・
ガイドサージェリーを用いました。
これは、予め埋入する部分をコンピューターにて設計をし、そこに正確にで入れるようにできる道具です。
インプラントする医院はたくさんありますが、
「ガイドサージェリーをしている医院は全体の2%」だそうです。
ちなみに当院では「全ての患者様にガイドサージェリー」を行っています。
その結果・・。バリオベースのジルコニアフルカントゥア
安い被せ物ではなく、「original on original」こだわった補綴物です。
こんな狭い所に理想的なポジション!!少しずれてもダメでした。
いつでも取り外しが可能な「ネジ止め」です。
当院では、取り外しが困難な「接着剤での固定」はほとんど行いません。
いつどんなことが起こるかわかりませんから、「外すことが出来る」ということは必要だと考えます。
ネジの穴を塞ぎます。
チタン-ジルコニア合金、ガイドサージェリー、バリオベースなど、参考とした最新の文献にあたりつつ発表を終えました。
今回も、他の先生方から多くの指摘を頂きました。
コンタクトの頬舌的なズレ・・。考えたこともない知識を学ぶことが出来ました。調整の少ない人工物を目指していきます。
また他の先生は、中等度〜重度の歯周病治療を、ブラッシングと奥の方の歯石取り(SRP)で治癒した症例を発表しました。
歯ブラシ練習・・されど歯ブラシ練習です。
3ヶ月で、8回のブラッシング指導・・。歯石は取らずです。
しかし、歯肉が回復するタイミングで歯石を除去することで、臼歯の歯周ポケット7-8mm→2-3mmに治癒させていました。
治療に「近道」はありません。やはり基本の積み重ねだと改めて感じました。