投稿日:2016年11月18日
去る2016年11月13,14日(土、日曜)にかけて、インプラントの学術団体でもあるCID(center of implant dentistry)のセミナーに院長、歯科衛生士の安藤・阿部で参加してきました。
土曜日は、開演ギリギリまで診療していたので、お昼は近くのお寿司を衛生士とともに飲みこみましたよ!!
内容は、現代のインプラント歯科学における、著名な先生による最先端の治療と過去の治療のフィードバックが主なものでした。
日本でも発刊された「Evolusion 前歯部インプラントの最新プロトコル」のイナーキ先生
骨造成で有名なアメリカのバックリー先生。
チューリッヒ大学のヘンメル先生、補綴のベルサー先生。
と日本でも有名な先生が公演してくれました。
インプラントメーカーの
ノーベル vs ストローマン
抜歯即時 vs 早期埋入
とういう図式です。
西船橋ももの実歯科はインプラントメーカーは「ストローマン」で、インプラントのやり方の第一選択は「早期埋入」です。
前歯のインプラントは、見た目を良くしないといけないのでしっかりとした骨と、歯茎を増やす手術が必要になります。そしてそれを10年以上維持し続けことが必要になりますが、手技の違いによる長期経過の論文は今まで存在しません。。。なので、ある意味数年後だめになってしまうかもしれません。
しかし今回のチューリッヒ大学のブーザー先生、ベルサー先生の研究では、「早期埋入での骨造成」による論文として、10年以上経過したすべての患者を追跡し、ほとんどの症例で骨が維持されていたことを確認していました。これは凄いことであり、この術式で行えば前歯の骨造成は長期間うまくいくといったプロトコールになると思いました。
しかし、イナーキ先生は抜歯即時埋入を基本としており、そこの議論が面白かったです。抜歯即時埋入は、歯を抜いてすぐ歯ができる利点はありますが、難しい外科処置が追加で必要になるのと、歯茎が足りなかったり、と満足の行く結果になるまで高いハードルがあり、イナーキ先生のようなエキスパートのみが行う治療なのかな?と思いました。症例報告で写真もキレイですが、もちろんうまくいっていない症例も背後にあると思うので・・。そこが、西船橋ももの実歯科では、抜歯即時埋入を第一選択で行わない1番の理由です。また、海外の先生は「日本ならその歯使いますよー」という歯を抜歯していくので、日本とは少しケースセレクションが違うのかもしれません。
抜歯即時+軟組織増生 早期埋入+硬組織増生
この2つは対決の様相ではなく、患者様に合わせて選択していけるといいと思いました。
インプラントの勉強会は軒並み50歳前後の先生が多いです・・、30代はかなり少数・・。
しかし、30代の先生は自分が行った治療結果を30年以上経過を観察できます。
50代の先生に治療してもらったら20年後はどうするのでしょうか?そんなことを会場で考えていました。私もいつかは50代になるのですが・・、
来年は「軟組織の増生」を外科のメインテーマに掲げて、研鑽と臨床を行っていく決意をいたしました。